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これも月の裏

2009年12月14日 23:48

 こんばんは。

 今日は、いつも以上に熱烈なる同志限定の話題です――が、初めてお越し頂いた方もここで回れ右せずに、少しだけお時間を頂けると嬉しいです。

 本編には顔を出さない葛原那由という少女ですが、今日は「リタ風」に書いてみました。桜6の裏側で起きていたひとコマです。
 番外編が好きな方は、是非お楽しみください。そして初めての方は、こんな物語なのか――と、500字だけお試し下さい!

(桜6裏)

「那由、連の相手は誰に決めたんだい」
 その夜、那由の家を訪れていた叔父の言葉に、那由は首を横に振った。
 母は台所で食器を洗っている。叔父が母に聞かれないように、このタイミングを待って尋ねてきたのは明らかだった。

「未だです」
 短い答えだったが、叔父は那由の心中を見通したかのように頷いた。
「私は藤原君が良いと思うがね。彼はある意味、鳴神菖蒲より適役だよ」

 那由はその言葉には答えず、リビングのカーテンを開けた。
 窓越しに浮かぶ月には、薄く霞がかかっている。振り返った叔父が再び声を掛ける。

「綺麗な月だ。こういう夜を朧月夜というそうだね」

 那由は月を見上げながら、二人の少年のことを思い出していた。
 藤原徹――またの名を鳴神徹瑛。
 鳴神の一族が、菖蒲で果たせなかった宿願を叶える為に送り込んで来た少年。
 だが、校舎で見かける藤原徹の姿は、そんな那由の先入観を打ち砕くほど、ごくありきたりに見えた。
 そしてもう一人。こちらは、那由が幼い頃からよく知る男だった。
 
 那由は、どちらを取るべきか決めかねていた。
 だが、口を突いたのは別の言葉だった。
「本当に見事な月ね」

 月は静謐さを湛え、少女を蒼く照らしていた。


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