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UZAMさんと佃木犬星さんからの頂き物

2009年04月15日 00:03

UZAMさんからの頂き物

UZAM様からの頂き物





佃木犬星さんからの頂き物

読書感想文・「如月の宝玉」                                                 

 同志を待つ様執筆の「如月の宝玉」は、2009年2月13日の エピローグ/運命の輪を超えて・2 「何と見事な月じゃないか」をもって本編を完結しておられます。

 不思議なご縁があり同志を待つ様(以下、個人的な親しみを込めて“同志様”とお呼びします)ご本人からサイトにお招きいただき、完結直後の、まだぬくもりの残る「如月の宝玉」をイッキ読みできたというのは、私にとってちょっと信じられないくらいの幸運でありました。

 こんなことを言うと同志様に「くすぐったいですよ」と言われそうですが、「如月の宝玉」を通読する前と後とでは、私自身のものの考え方が本当に違うのです。
その感謝を込めて、誠に僭越ではありますが、「如月の宝玉」の感想を述べさせて頂きます。

 こいつ分かってないな、とか、こいつ自分のことを棚に上げて、とか(←すごくありそうでヤバイ)いう表現はあるかもしれませんが、この感想文を書いている者の力不足と、一笑して頂ければ幸いです。

   * * * * *

 本当はデキる男のくせに優柔不断で控えめな主人公・藤原徹が、参宮学園の奇妙な「連」の風習や、「如月の宝玉」争奪戦に巻き込まれながら、周囲の少年少女たちとともに成長していく、学園バトルアクション。

 これだけアオリを書いてみると、いかに「如月の宝玉」が王道をいった小説であるかが分かります。

 同志様ご本人は「男の妄想です…」なんて謙遜されておられましたが、もしかすると王道であることに、ご本人も若干の照れを感じておられるのかもしれません。

 正直、私も小説を投稿するハシクレとして「王道」を敬遠する癖があります。

 「王道」モノは、分かり易い、とっつき易い、すぐにストーリーに入っていける、基本的に需要が多い、大幅な破綻が起こりにくい、などという安定感がある一方、書きつくされている、ありがち、印象に残らない、その他大勢に埋没するといった、ハイリスクも背負います。

 投稿では特にハイリスクの方に目が行ってしまって、私などはどうしても王道から斜め45度外れた、コシャクな方向に行ってしまうのです。(そして玉砕する、と。)

 しかし、王道ど真ん中を突っ切っている「如月の宝玉」が、どこかで見た、完全にカテゴライズ化された学園小説であったかと言えば、答えはNOです。
 そうではないからこそ、ここまで(んまあ奥様、1万ヒットですってよ!)読者を集めたのでしょう。

 その秘密は、ストーリー×キャラ×文章それぞれが、きちんと、正しく、軽くK点を超えて飛んだことにあるのではないかと私は思います。

 つまり、

①しっかりと読者を引き付けるストーリー構成(どんでん返しもあるかも)

②その場を“生き”ているキャラクターたち(キャラ萌え小説だと思ったら大間違い)

③裏づけのしっかりした世界観(この学園超通いたいッス)

④安定し、読み易い、確かな文章力(読んだ方なら分かるはず。)

 この4つが、ラストまで互いに重なり、高めあっているのです。面白くないわけがない。

 この中で、私は個人的に④の部分について特筆したいと思います。
 
 文章というものは、非常に地味な部分です。素人考えの披露になり恐縮ですが、私は、文章は車のエンジンだと思っています。

 ついでですから、車窓から見える風景がストーリー、一緒にドライブをする同乗者たちがキャラクターであると定義しましょう。

 このドライブにおいて、車はただの乗り物であり、エンジンがしっかりしているなんてことは、いわば当たり前の事です。いいエンジンだった、なんて誰も感想は言いません。が、エンジンの調子が悪くて、時々止まったり火を噴いたりするようだったら、おちおち旅も楽しめないのです。乗っている者は、車の音ばかり気になってドキドキしてしまう。しまいには途中で止まって、旅行は終了するかもしれません。

 では、「如月の宝玉」のエンジンは、どうだったか。

 とても、とても、雑音が少なかったのです。

 キャラクターたちのおしゃべりがエンジンの騒音に邪魔されることなく、まっすぐに聞こえてきました。まるで、彼らの心の声まで手に取るように。

 徹ちゃんの優柔不断さに有為なみにイラっときたり、リタの哀しいほどの凛々しさに、セシルさん気分になってモニタの前でグっと拳を握ったり。夏の日、高宮と連れ立った有理が徹に出くわすという意外なシーンで、私たちは彼女をただのありがちなヒロインではなく、一人の生きたオンナノコとして認識できたということもありましたっけ。ああ、瓜谷&楠ノ瀬の連は良いですね。彼らのどっちかが出てくるとすごくホっとした。

 ……そういうことに、何の雑念もなく集中できたのです。

 滑るようにスムーズな走行は、そうしたキャラクターたちの日常的でいて幻想的な風景を、次々と見せてくれました。
 時には過去、時には現在、時には夢にさえ行きつ戻りつする結構ハードな運転でありながら、読者が不安を感じなかったのは、これすべて同志様の運転技術と、車の性能ゆえでしょう。

 雑音が少ない文章。洗練され、余分なところを省いて美しく推敲された文章。

 何度も言うようですが、美しく正しい文章ほど「当たり前」に見えて、それが素晴らしいということに気づかない。私はあえて、そこに拍手を贈りたいと思います。



 今、私たちは「如月の宝玉」を通読して、旅の終着点まで着きました。

 キャラクターたちに起こった出来事は、楽しいことばかりではなくて、むしろ切なく、胸が詰まるようなことが多くありました。女性読者は特にそう思ったんじゃないかと――荻原姉妹よりもリタに思いっきり肩入れしていたのはあたしだけでしょうか――思います。

 少し寂しくて、でもふんわりと暖かい春の空気を、キャラクターたちと胸いっぱいに深呼吸しながら、旅は終わりました。

 同志様。素敵な数日を、ありがとうございます。運転お疲れ様でした。

 幸い、旅をともにしたキャラクターたちはとても元気で、月の裏側でスピンオフしたり、これまでのアルバムの隙間を埋めたりしているようです。こちらにも楽しく、セシルさん気分で(またか)目を細めている次第です。

 同志様の今後のご活躍(というか、もう始動されてますよね)を、今後も楽しみにしています。またあたしたちをどこかに連れていって下さいね。

   * * * * *

 最後に、冒頭で「私自身、ものの考えが変わりました」と申し上げました。

 おはずかしながら、そのビフォア・アフターを告白して、感想文を終えたいと思います。

***************

 Before 「王道→ネタがないみたいで、ちょっと書きたくない……」

 After 「王道→どれだけ人間が書けているかの真っ向勝負。面白そう」


 Before 「web小説→いろいろありすぎて、何がウケるのかわからん」

 After 「web小説→webであろうと何であろうと、良い小説は、受け入れられる。」


2009/04/08 佃木犬星



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