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4週間近くたって

2009年11月29日 22:25

 同志の方も初めての方もご来訪ありがとうございます。
 今日は、サウンドノベルをレビューして頂いた記事のご紹介です。

 meet i さん
 ★を使ってiPhoneアプリを評価するサイトさんです。簡潔なコメントを用いて独自格付けする手法に、運営者さんの姿勢を感じます。
 爽やかな学園ものサウンドノベル、とのキャッチコピーを付けて頂きました。嬉しいです! 操作性に高評価をつけて頂いたのも、ほっとしました。

 iPhone女史 さん
 「女の子目線のiPhoneアプリ情報」を更新するサイトさんです。サイト全体からポジティブなトーンが立ち昇ってくるのが凄く感じられます。
 読みだしたら夢中になっちゃうこのアプリ、乙女のきゅ~んっアイテムとしていかがですかぁ♡♡♡
 ――と書いて頂きました! もうiPhone女史さんに足を向けて寝られない感じです。

 両サイトさんとも、レビューありがとうございました!
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ついこんなものを……

2009年11月28日 23:31

ファンクラブ掲示板ジェネレーター(おれさまファンクラブ)を知って、こんなものをつい作ってしまいました……
荻原有為ファンクラブ

二週間で消えてしまうとのことなので、もしよろしければリンクをご覧ください。

オリキャラ「実は...」バトン

2009年11月24日 01:51

 昨夜、ぼんやりとした頭で佃木さんのサイトをうろついていたら自分の名前があって――
 目が覚めました。というわけで突然ですがバトンです。リタで、「オリキャラ『実は…』バトン」です。
 佃木さんの顔を思い浮かべながら(*)、全力対応しましたので、ご興味のある方は続きをどうぞ!

*すいません、資料不足につき佃木家の「ナシ」と「だいじょぶにゃん」を合成して脳内画像に使いました。
[オリキャラ「実は...」バトン]の続きを読む

春の記憶 如月の夢/ あとがき

2009年11月22日 22:11

「春の記憶 如月の夢」は以上で終了です。 
 今回は、普段より少しだけ各話の構成を意識して書いたサイドストーリーでした。

 本編抜きには成立しない欠片の集まりではありますが、序や幕間も含め、毎度のことながらどれも自分が好きなタイプの話です。というわけで、一つでも同志の方に気に入って頂けると嬉しいです。

 ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

春の記憶 如月の夢 /如月の夢(後編)

2009年11月22日 22:10

「リタって凄いよな」

 手にした飲み物がやがて空になっても、何故か僕らは去りがたく、ブランコに座ったままで次第に長くなる影をただ見ていた。
 さっきの会話がきっかけで心が緩んだのだろうか。僕はいつしか、胸にしまっていた思いを吐露していた。

「家族と離れて日本にやってきて、ナンバーワンの連になる目標を叶えて。宝玉の中に何かがいると判っても、逃げなくて」
 僕は立ち上がった。一方のリタは、瞳の中に穏やかな色を湛えたままブランコに座っている。

「一年間過ごして判ったのは、リタが本当に凄いってことだった。何て言ったらいいんだろう。圧倒されるっていうか、近寄りがたいっていうか」
 下らぬ愚痴の類いだと判っていた。だが、一度話し出すと止まらなくなくなっていた。

「徹らしくない台詞だな」
 赤い髪の少女は薄く微笑んだ。ココアの空き缶を地面に置くと、座ったままで僕の顔を見上げる。
「私がそれほどの人間なのかは判らない。だが、お前の凄みだったらよく判っているつもりだがな」

 リタの言葉も、今の自分には買いかぶりが過ぎるようで重荷だった。
「今、ここで話している僕らの姿と一緒だよ。ちょっとの距離なのかもしれない。でも、この距離が詰められないんだ」

「ほんの二、三歩の距離なのにか」
 力のない僕の声に対し、リタの問い掛けには可笑しみさえ漂う。
「徹らしくない台詞だ。いや、これこそ徹らしいと言うべきなのか」
 そこで不意に北風が再び吹きつけた。僕は首を竦めるとマフラーを巻き直す。

 さっきまで声を立てて笑っていたはずなのに、いつのまにこんな後ろ向きになってしまったんだろう。ぶり返してきた寒さと自己嫌悪とがないまぜになって、僕は溜息をついた。

「ごめん。気分が悪くなったろう」
 目の前の赤い髪の少女は首を横に振った。
「では徹、一つ質問をしていいか」

 唐突な台詞だった。よく判らないまま曖昧に頷くとリタは続けた。
「連とは何だ。恋人か、それとも友人か」 
 リタは座ったままで背筋を伸ばし、僕を見上げていた。
 がちゃりとブランコの鎖が音を立てた。

 リタらしい、真っ向から切り込んでくる問いであった。
 確かに、連をきっかけに付き合い始める者もいる。けれども連の説明が恋人というのは明らかに違う。
 かといって友人かと問われれば、これも違和感が残る。

 杉山は有理の何なのだろう。瓜谷は楠ノ瀬の何なのだろう。
 そして、僕はリタの何なのだろう。
 僕はリタの問いを反芻していた。

「私の意見を言おう」
 おもむろにリタが口を開いた。
「連とは、相手の影だ」

(影――)
 声に出さないまま唇が動いた。それを見てリタが頷く。

「そう、影だ。徹、お前は私との距離が詰められないと言うが」
 そこで言葉を区切ると、少女は意味ありげに視線を落とした。
「お前の影は、既に私と一つに重なっているぞ」

 思わず自分の足元を見ると、夕陽に照らされた自分の影が前方に伸びていた。
 その瞬間、鳥肌が立つ。
 リタの言うとおりだった。僕らの影は重なっていた。

「確かに我々の身体は分かれている。だが、連でいる間は影は一つだ」
「……影は一つ」
 ただ繰り返すことしか出来なかった。

 心は一つ。僕だったらそう表現しただろう。
 だがリタの言葉は僕よりも強く深く、そしてその凛とした表情にもかかわらず、あまりに艶めかしかった。
「我々の影は一つだ。徹、忘れないでくれ」

 その声を耳にすると同時に、再び何かが背骨に沿って駆け上がってきた。
 感動と呼ぶにはもっと衝動的で、戦慄と呼ぶにはもっと官能的な何かだった。

 僕はそれを表現する言葉を一つしか持っていない。
 それは射精の感覚だった。
(我々の影は一つだ。徹、忘れないでくれ)


 そして――僕は目を開けた。

春の記憶 如月の夢 /幕間2

2009年11月22日 22:09

 赤い髪の少女はベッドから身を起こすと、枕元の時計を確認した。
 寝入ってからまだ二時間も経っていなかった。
 急いでベッドライトを点けると、枕元に置いたノートに見た夢を書き留める。

 どこかに宝玉の謎を解く鍵があるはずだ。
 あの銀髪の女は誰なのか。
 だが掬った手の指の間から水が漏れるように、夢の中の記憶は書き留めるそばから薄れていく。

「……何故だ。何故だ」
 消え入るような声はうわ言のように続き、
 そして不意に、頭を壁に打ちつける音へと変わった。

「何故、思い出せない」
 少女は小さく呻くと、傍らのベッドで横たわる徹を見た。

 ベッドライトの明かりの下、徹の頬から首筋にかけて鋭い鉤爪で引き裂かれた赤い傷が出来ていた。線などという生易しいものではない。蚯蚓腫れのように皮膚が赤黒く盛り上がっている。
 傷跡は浮かんでは消え、そして消えてはまた浮かんだ。
 
 早く起こさないと取り返しのつかないことになる。
 焦燥感に駆られて伸ばした腕が、途中で止まる。これが、この悪夢こそが宝玉の謎を解くための試練だと判っていた。徹も少女も、ともに覚悟の上だった。

 だが――それにしても、あまりに残酷な試練だった。

 その時、徹の口が小さく動いた。咄嗟に耳を近づけた。
「……必ず、必ずリタの弟を」


 少女の顔が歪み――
 嗚咽と共に、再び部屋に鈍い音が響いた。

春の記憶 如月の夢 /春の記憶

2009年11月20日 20:43

「那由、よく来たね」
「叔父様、学園では苗字で呼ぶ約束です」
 宇田川隆介は、目の前の少女の台詞に苦笑する。

 その日は朝から雪が舞っていた。

 理事長室の窓は薄らと曇り、窓枠には水滴がついている。制服を着た目の前の小柄な少女は、古い革張りのソファに膝を軽く斜めに揃えて腰掛けていた。

 宇田川は数年ぶりに会う姪の美しさに目を細めながら、無意識に左手の時計のリストバンドを弄っていた。宇田川は、中肉中背の身体を品のいいスーツで包んでいる。その切れ長の瞳と薄い唇は、聡い者が見れば少女との血縁関係を連想させるに十分な相似であった。

「いずれにせよ、君が転入してくれて嬉しいよ」
「決まっていたことですから」
 その声に特段の感慨は感じられず、むしろ冷ややかな響きさえ混じる。

「そうかもしれない。だが、ここから先は全て君次第だよ」
 宇田川は姪の言葉にも、笑顔のままであった。

 それが不満であるかのように、少女は殊更冷淡に言葉を返す。
「使命なら決まっています。宝玉の主となり、呪いを解くのでしょう」
「お父さんは、そんな説明をしたのかい」

 呪い――その語感に宇田川が微かに眉を顰めると、少女の唇が綺麗な半月を作った。
「夢から醒めないのであれば、呪いと変わりません」
「夢か……」
 宇田川はその言葉に、十五年前の自分自身を思い出す。

 果たして自分はあの時、呪いを解こうとしていたのだろうか。

「呪いか、そうでないかは、那由の目で確かめてくれればいい」
 那由は、再び名前で呼ばれたことに不服そうな顔をしたが、構わず宇田川は説明を始めることにした。

「君は、体調不良を理由に一年間療養しているので、希望通り一年生に編入されることになる。念のため、私との関係は伏せておいた方がいいだろう。苗字が違うことを考えると、それほど気にすることも無いとは思うが」
 無言で頷く少女を見ながら、更に話を先に進める。

「参宮学園には君も知っている通り、連の制度がある。君は、まず、四月のうちに誰か相手を見つけて連を組む必要がある。その際には、条件が三点――」
「自分と違う学年から選ぶこと、相手は一人であること、異性を選ぶこと。わかっています。もう、調査も済んでいますから」

 宇田川は、少女の賢しげな台詞に目を細める。
「なるほど、一年生に編入することも含めて計算済み、ということだね。さすがに私の時とは違う」

 特に嫌味を言うつもりも無かったが、少女は首を横に振った。
「叔父様の時は真の年でなかった、只それだけです」
「むろん鳴神もいなかった。だが、彼の地の一族はいた」
 どこか懐かしむ口調で宇田川が独りごちる。脳裏に、共に宝玉の管理者を目指した青い瞳の少女の姿が浮かんだ。

(ねえ、隆介。私と貴方が組めば、出来ないことなど何も無いと思わない?)
 春の日の情景が昨日のことのように蘇る。あの頃、未来は自分達の前に確かに開かれていた。

(御免なさい。私は貴方を利用するために日本に来たの)
 あれは落ち葉が舞い散る季節だった。芥川や佐倉と一緒に出かけた帰り道だったろうか。

(お願いだから誓って。あなたは私を犠牲にすることが出来る、と)
 雪の記憶と共に、宇田川の口の中に苦いものが広がっていく。宇田川は記憶の底をさらう作業を中断して、目の前の少女へと向き直った。

「私はもっと慎重であるべきだった。いや、むしろ、もっと思い切ってやるべきだったのかもしれない」
 そこまで口にして、宇田川は軽く肩を竦めると目尻に小皺を寄せた。二十代といっても通用する若々しい顔立ちに、年齢相応の影が差す。
「可笑しいだろう。未だに客観的な評価さえできないんだよ」

「いえ。そんなことはないです」
 そう言いながら、頃合いと見たのか少女はソファから立ち上がる。その仕草が小鳥が止まり木から飛び立つ姿を連想させる。
「そろそろ失礼します」

 相変わらず、場の空気を読める子だ。そう感じながら宇田川も頷くと立ち上がり、少女を導くように理事長室のドアを開ける。少女を送り出したところで、宇田川はふと思いついた言葉を口にした。
「そうだ、今日はこれから鳴神の少年が来るが、会っていくかい?」

 少女――葛原那由は小さく首を横に振ると、軽く一礼をして出て行った。

 宇田川が職員室に戻ると間もなく、スリッパに履き替えて黒いダウンジャケットを脇に抱えた優しげな少年が、辺りを見回しながら入ってきた。
 宇田川は冷めかけたコーヒーを一口啜ると、少年に向かって軽く手を上げて合図をした。


「藤原徹君だね。私が転入担当をしている宇田川だよ」

春の記憶 如月の夢 幕間1

2009年11月20日 20:40

 満月は、獣の心を狂わせるのだろうか。

 野犬の遠吠えを聞きながら、葛原貞義はふと思った。
 と、目の前でまた一人、奇妙な技をかけられて崩れ落ちる。
 
 そこで貞義は男たちに声を掛けた。
「もうよい、行かせよ」
 言葉と同時に配下の者たちが解いた囲みの間を、風の如く黒い影が走り去っていく。
 黒い影――ただ一人の男を相手に、既に五名が倒されていた。

 「あの男が、ここまでやるとはな」
 呻き声を上げている配下の者たちの惨状に眉一つ動かさず、貞義は独りごちる。

 葛原の安泰を第一に考えるのであれば、ここで貸しを作るよりもこの機に乗じて相手を根絶やしにした方がむしろ得策――貞義は、自分の考えが間違っているとは露ほども考えなかった。
 だが、殺すには惜しい。一方でそう思わせる男の獅子奮迅振りだった。

 しかも貞義は、先ほど西の夜空を照らした光の意味を誰よりもよく判っていた。
「愚かな」
 木蘭が宝玉の霊力を使い切ってしまったことは、容易に想像がついた。
 
 貞義は踵を返し、男達が慌てて後に従った。
  

Happy Birthday (物語について20)

2009年11月18日 23:45

 「物語について」と題する記事も、いつの間にか20回目になりました。
 
 如月の宝玉で一人だけ作中で誕生日が特定できるキャラがいるのですが、その誕生日が11月18日です。作者も今週まですっかり忘れていたのですが、絵師の伊砂さんからサプライズ・プレゼントを頂きました! 
 
 興奮→感動→しみじみ→再び絵を見て興奮→感動(以下略)です。 
 そして、その中でふと、ネットの世界のつながりの不思議さを柄にもなく考えてしまったりして。

 ……なんだかまとまりがつかなくなってきましたが、以下をぜひご覧ください。
 伊砂さん、本当にありがとうございました!
[Happy Birthday (物語について20)]の続きを読む

春の記憶 如月の夢/ 如月の夢(前編)

2009年11月18日 00:38

 その時、僕はリタと二人で学校帰り、リタの家まで歩いて戻る途中だった。

 寒いな――イギリス育ちのリタにしては珍しいその台詞に、僕らはコンビニで飲み物を買うことにした。
 当初は周囲から奇異の視線に晒されたに違いない赤い髪も、一年近く経つと多少は風景に溶け込むものらしい。レジの男も特段の反応を見せることなくリタに釣銭を手渡す。

 僕は緑茶のボトル、リタはホットココアの缶を手にコンビニを出た。

 僕は歩き出すとすぐにキャップを開けて緑茶を飲み始めたが、リタは焦げ茶色の缶を手にしたまま、口を付ける気配はない。
 今日は一日中雲一つない晴天だったが、こんな日の空気はむしろ普段より冷たい。吹きつけてきた北風に、僕は緑色のマフラーを巻き直した。

「リタも冷めないうちに飲んだら? その方が持っているより暖まるよ」
 リタの家までは手前の公園の角を右に曲がった後、細い坂道を十分ほど上る必要がある。既に西の空は赤みを帯びており、夕暮れとともに風は一層冷たさを増していた。

「ああ、そうだな」
 相槌を打ちながらもリタに缶を開ける素振りは無い。その声の響きが普段と僅かに異なる気がした。と、不意に先日の会話が甦る。

「リタ、もしかしてココアが好きなのは子供っぽいって言ったことを気にして――」
「そんなことはない」

 リタが否定するタイミングがいつもより早かった。
 そのことに気付いた途端、胸にじわりと可笑しさがこみ上げてきた。

 宝玉の管理者となり、一緒に寝泊まりするようになって二週間。一年近く連を組んで過ごした後であっても、なお新しい発見はあった。その一つが、意外にリタはココアが好きだという事実であった。
 リタといえば紅茶というイメージが強かったが、ちょっとした機会にリタはセシルにココアを頼むのだった。そして昨夜、ココアなんてリタも子供っぽいところがあるんだな、などとつい口にしてしまった。

 あれは失言だった。

 だが僕はすぐに思い返した。もしその言葉を気にしているのなら、今日また自分で選ぶはずがない。
 僕の顔に困惑の表情が浮かんだのが判ったのだろう。リタが立ち止まると前方を指差した。
「徹、そこで飲んでいかないか」

 そこにはリタの家のリビングルームとさして変わらぬ広さしかない、ブランコと砂場だけの小さな公園があった。

 暮れかかる公園には遊ぶ子供の姿は無い。二人並んでブランコに腰を下ろすと、リタはすぐにプルタブを開けてココアを飲み始めた。
 陶器のように白い喉元が何度か小さく動く。リタは缶から口を離すと小さな吐息と共に、満足げな表情を浮かべた。

「なんだ、飲みたかったなら早く言ってくれれば」
 僕はそう言いかけて、ふと思い当った。
「もしかして、歩きながら飲むのは行儀が悪いと思ってた?」

 今度は否定することなく、リタは僅かに微笑んでいる。
 躾の厳しい家で育ったはずのリタである。どうやらこちらが正解に近そうだった。 

「ごめん、全然そんなこと考えなくて」
 謝る僕を前にリタは微妙な笑顔を浮かべていたが、そのうち思案する表情になった。ブランコの鎖を軽くつかんでいた手を離し、胸までかかる豊かな赤い髪を掻き上げる。

 と、笑顔が大きくなった。
「謝ることは無い。私の方が悪い」
「いや、だって」
 それから僕らはひとしきり押し問答を続けたが、不意にリタは軽く溜息をついた。
「これではきりがないな、仕方がない。徹、セシルも知らない私の秘密をお前に教えよう」

 予想外の言葉に心臓が音を立てて跳ねた。

「もしかして、これもまさか……」
 リタは僕の意味を無さぬ問いに対し、否定も肯定もしないまま唇を動かした。
「先ほど飲まなかった理由だが、行儀が悪いと思っていた――というわけではない」

 ターコイズブルーの瞳に宿る光が、これから話すことは他言無用だと告げている。一気に緊張感が高まった。どう繋がるのか見当もつかないが、やはり宝玉に、そしてイギリスに残してきたリタの弟に関係があるのだろうか。
 僕は腹に力を込めた。どんな衝撃の事実を聞かされようとも、僕らは連だ。そう言ってリタを支えるつもりだった。

「実はな――」
 唾を呑みこんで続きを待った。

「私は、歩きながらだとこぼしてしまって、うまく飲めないんだ」

「へっ?」
 耳を疑った。息することさえ忘れたまま、穴のあくほど目の前のリタの顔を見つめる。
 お互いに無言の数秒が過ぎ、やがて少女の白い頬に微かに赤みがさした。

「……徹、まさか私のことをまた子供だと言うつもりじゃないだろうな」

  
 そして――
 僕はリタの台詞にもかかわらず、自分の笑いを止めることが出来なかった。

春の記憶 如月の夢/ 序

2009年11月18日 00:37

 我ら、天の理を知り地の則に服し
 御仏の教を全うし義の道を歩み

 今宵が契の為に殉ず

 我らは宝玉の主にして僕
 宝玉は常に我らと共にあり

 我らはこの生涯を宝玉に捧ぐ

 この儚き命ある限り
 宝玉の加護のあらんことを


 木蘭が言い終わると同時に一陣の風が桜の花びらを舞い上げた。
 見上げた桜の梢越しに、息を呑むほど見事な満月が覗いていた。

春の記憶 如月の夢/ まえがき

2009年11月18日 00:36

 今回久しぶりに掲載するのは、5回目のサイドストーリーです。
 如月の宝玉本編終了後、こんなに回を重ねるとは作者自身想像もしませんでした。一人でも読者がいるというのは本当にありがたいことだと思ってます。

 さて本作品は前々回に掲載した「髪は炎の色にして」と同様、本編の並行世界で「起きた(起きる)かもしれない」話です。二つの短い話に序と幕間を挟んでの掲載予定です。

 それでは毎度ではありますが、これが好きだといいな――ということで。

物書きモード

2009年11月16日 01:14

 初めての方も、同志の方もご来訪ありがとうございます!

 今年の初夏からこつこつ進めていたビジュアル化が終わり、ようやく物書きモードです。
 というわけで、前回7月以来のサイドストーリーを近日中に掲載開始予定です。その前に5月に書いた「髪は炎の色にして」と同じような「あっち系」(?)の話です。

 本編読了前提――という身勝手な内容になるのは確実ですが、「熱烈な同志」(脳内変換)向けの感謝を込めて鋭意作成中です。初めての方にとっては、「なんじゃこりゃ」の中に少しでも物語世界の雰囲気を味わって頂ければ……自分の筆力を棚に上げて無理言ってすみません。

 いずれにしましても、またのお越しをお待ちしてます。
 

続報

2009年11月08日 23:34

 こんばんは、昨日の続報です。

 AppBankさんに寄稿していた記事を掲載頂きました! 如月の宝玉は他とはここが違います、と断言しての宣伝をさせてもらってます(笑)のでご興味あれば是非ご覧ください。
 それを受けてlivedoorニュースに転載されたり、Twitterでつぶやいてくれる人がいたり。感謝であります。

4日たって

2009年11月07日 23:16

 こんばんは、同志の方も初めての方もご来訪ありがとうございます。
 今日は、前回のブログ記事「2日たって」の続報です。

 「如月の宝玉」で検索していたら(笑)、サウンドノベルをレビューして頂いたサイトさんを発見しました!
 MOE-LECTRONICSさんです。

「iPhone・iPod touchの萌えアプリレビューブログ」
 こんなキャッチコピーのサイトさんに採り上げてもらっただけでも、ぐっと握り拳に力です。自分の作ったサウンドノベル、萌えどころありでしょうか、ありですよね、あるといいなあ、あるでしょうか(以下無限ループ)。

 更にコメントが、
「絵のクオリティも高いです。」
「まだ序盤を読んだだけですが、なかなか面白そうな展開!音楽と絵と文章がマッチしてて良い感じです。 ¥115と激安なので、気軽に購入できるのもいいですね! 同人アプリがんばれ!!」

 感激で半泣きしました。
 レビューありがとうございました!  

2日たって

2009年11月06日 00:01

 サウンドノベルが配信になって2日間。作者の興奮ほどには世の中は劇的に変わっていないのですが(笑)、少しずつ嬉しいことが増えてきました。


1.伊砂さんにブログでサウンドノベルを宣伝して頂きました!

配信!

 しかも美麗なイラスト付きで――いつもいつもありがとうございます!
 早速イラストを「お持ち帰り」してしまいました。


2.なんと初日からサウンドノベルをダウンロードしてくれた方がいました!

 アプリ(ソフト)を配信しているApp Storeでは製作者がダウンロード件数を確認できるのですが――初日からありがとうございます! 
 Apple社では昨日、App Storeで配信するアプリの数が10万を超えたというリリースをしていましたが、10万の中から選んで頂いた方に大感謝です。


3.AppUpさんに取り上げて頂きました!
 
 iPhone/ iPod touchのアプリ情報配信サイトのAppUpさんに、如月の宝玉が載ってました。
 たぶん自動でデータ収集する仕組みだと思うのですが、でも嬉しいです。「キニナル!」マークも付いていて、作者も凄く気になります。
 以下のリンクで新しい画面が開きますので、よろしければご訪問ください。
  AppUp(如月の宝玉)

 以上、ご報告でした!

今日から配信開始です!!

2009年11月03日 23:50

 初めての方も、同志の方もご来訪ありがとうございます。
 本日11月3日から、Apple社のApp Storeでサウンドノベル「如月の宝玉」の配信開始しました!

 10月中旬に登録してから2週間強、今か今かとAppleからの審査終了メールを待っていました。ネットを見ると、長く待たされた例や却下された例などもあり――緊張しました。
 
 自分の作品が載っているのを見るだけで顔が緩んでしまうのですが、一方で現時点で9万個あるとも言われるApp Storeのソフトの中で思いっきり埋もれている現状でもあり……今度は営業・宣伝担当として何とかせねば!と誓いも新たです(笑)。

 この日のために取っておいた画像(伊砂さん作です)をアップしつつ、今日はご報告まで!
[今日から配信開始です!!]の続きを読む


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