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艱難汝を玉にす (物語について11)

2009年03月31日 21:07

 こんばんは。今回も物語の登場人物についてです。本筋には影響しない程度ですが内容に触れる個所がありますので、本編未読の方はご注意下さい。
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届く?届かない? (物語について10)

2009年03月30日 00:59

 こんばんは、同志の方も初めての方もご来訪ありがとうございます。

 今回は物語の登場人物についての話題です。本筋には影響しない程度ですが内容に触れる個所がありますので、本編を未読の方はご注意下さい。
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来月の予定と実験報告

2009年03月25日 01:45

こんばんは、同志の方も初めての方もご来訪ありがとうございます。
 
現在、当ブログに連載・完結した小説「如月の宝玉」の簡単なサイドストーリー「続・月の裏で会いましょう」を作成しており、3~4回に分けて4月の上旬に掲載予定です。
内容は前回の読み物「月の裏で会いましょう」第5話に近いトーンの、気楽なものになる予定です。

また、ブログのカウンターが10,000に近づいてきましたので、感謝の気持ちを込めて、激しく裏話的な蛇足説明「嘘と秘密と作者の溜息(仮題)」も並行して作成中です。

ネタバレをかなり含むため読了された方を対象に想定していますが、これも4月中にアップできればと思っています。(カウンター次第ですが)

さて、1週間ほど前にyoutubeで動画の関連づけを実験してみる、とご報告した件ですが、結果は何と成功してしまいました! 今日現在で如月の宝玉のビデオクリップを閲覧すると、関連動画としてTeen Titansのオープニングテーマが出てきます。

やっぱり閲覧数の1割以上が作者本人だからでしょうか……とはいえ面白い実験が出来て満足です!

それでは、引き続き同志を待っています。(今月中もまだ更新予定です)

春分の夜に

2009年03月21日 02:17

 3月20日は、「如月ワールド」では特別な意味を持つ春分の日でしたが、同志の皆様はどんな一日だったでしょうか。

 さて、物語の連載中そして連載終了後も、作者はオンラインの繋がりの中で色々な嬉しいことがありました。
 一方オフラインの世界での小さな嬉しい出来事と言えば、作品を書き始めてから本物の「リタ」に出会ったことです。
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youtubeのお礼と関連動画

2009年03月17日 01:48

 1カ月ほど前youtubeに如月の宝玉のビデオクリップをアップロードしたのですが、今日見たら閲覧数が200を超えていました。思わずPC画面に頭を下げて感謝しながらふと気付くと、初の評価が……しかも★5つ……
 この場を借りて御礼申し上げます! ありがとうございました。

 ところで、youtube閲覧時や閲覧後に出てくる関連動画がどうセレクトされているのか非常に気になっています。

 アップロードに際してキーワードとして
「伝奇小説 如月の宝玉 美少女 運命 学園 バトル 古武術 月 ライトノベル ラノベ ブログ novel blog 同志を待つ 高校生 六番目の小夜子 キマイラ 樹上のゆりかご 夢枕獏」
を登録したのですが、キーワードに引っかからない動画も関連付けられているようです。

 もし協調フィルタリング(レコメンド)の手法を使っているとすると、二日と空けずに自分の動画をチェックしている作者が一番回数の多い視聴者のはずなので、非常にまずいことに……(滅んだ方がいいでしょうか、Tさん)

 今週は、自分の動画をyoutubeで見た後に必ずTeen Titansのオープニングテーマも見て、関連づくか実験してみようかと思ってます。地味な実験です、はい。

(以下のリンクでyoutubeに飛びます)
Teen titans go! in japanese - Puffy Ami Yumi

これも好きだといいな

2009年03月13日 02:06

 「如月の宝玉」本編と「月の裏で会いましょう」、おかげさまで無事完結しました。
 
 作者の脳内では登場人物はまだ動き回っているのですが、本編の結末でさえ何パターンかを用意してしまうほど悩んだ……ので、続編や前日譚を書くにはまだ早過ぎるようです。
 本ブログについては、当面は同志の方の来訪・再訪を待ちながら、ゆっくりとしたペースで拍手のお返事や作者の状況報告をさせて頂く予定です。
 
 その代り、というわけではないのですがもう一つブログ小説を始めることにしました。
 以前、賞に応募してあっさり落選した作品があるのですが、これを改題・改稿して掲載しています。
 
 掲載にあたってマイピクさんでまたヒロイン・イラストをお願いしたのですが、すごく素敵なものが届いたので、作者的には気持ちが盛り上がっています。

 ご興味ありましたら姉妹ブログ これも好きだといいな にも是非お越し下さい。

月の裏で会いましょう/ あとがき

2009年03月08日 22:04

 「月の裏で会いましょう」は如何だったでしょうか?
 
 各話とも起承転結のない欠片ではありましたが、気楽な読み物として雰囲気を味わってもらえればと思い作成しました。ちなみに如月の宝玉本編と各話との関係は、以下の通りです。

 第一話 君はこれをどう思ったかい (運命の輪2)
 第二話 最高の相手を狙わなきゃ (桜1)
 第三話 今年は負けられない (向日葵8)
 第四話 相違ござらぬか (運命の輪0、プリムラ1)
 第五話 なかなかいい男っていないですよね (夢見の宝玉9)

 第一話から第四話までは本編連載前に作成済でしたが、掲載時に視点の揺れを抑えようと削除した内容です。こんな形ではありますが今回読んで頂けて嬉しいです。
 また、第五話は新たに作成したのですが、書いているうちに作者の方が楽しんでしまいました。(これが好きだといいな、という気持ちなのですが……)

 最後になりますが、お読み頂き本当にありがとうございました!

 目次に戻る

第五話 なかなかいい男っていないですよね (月の裏で会いましょう5)

2009年03月07日 00:40

「楠ノ瀬先輩、なかなかいい男っていないですよね」

 今日の休み時間も徹たちの教室には荻原有為が来ていた。いつからか有為は、姉の有理のいるいないにかかわらず楠ノ瀬麻紀の席に入り浸るようになった。
 リタに対してもそうだったが、楠ノ瀬は意外に同性の後輩に人気があった。さばけた態度がポイントなんだろうか、隣で徹はぼんやりと考える。

「有為ちゃんもそう思う? あたしも参宮に入った時は瓜谷先輩を見て感激したんだけど、結局あのレベルは殆どいないんだよねえ。瓜谷先輩はしっかり先約済だったし」
「そうそう。で、周りにいるのは優柔不断男とか鈍感男とか優柔不断男とか鈍感男とかばっかり」
 有為が、口を尖らせて栗色の髪の毛を掻き上げる。

 楠ノ瀬と話に夢中になるのはいいが、人の机に腰を掛けて足をぶらつかせるのは止めてほしい。だいたい、有為の台詞に必死に笑いを堪えている楠ノ瀬は、何が可笑しいのだろうか。
 徹は机に数学の教科書を広げようとしてみたが、有為の赤いチェック柄のスカートの腰に触れてしまいそうで諦めた。

「まあ、有為ちゃん落ち着いて。将を射んと欲すればまず馬を射よっていうじゃない。それで最近あたしんところに来るんでしょ」
 有為を宥めるかのような楠ノ瀬の台詞だった。だが徹の予想に反して、それを聞いた栗色の髪の少女の顔に朱が差した。

「く、楠ノ瀬先輩、何言ってるんですか。あ、あたしは純粋に楠ノ瀬先輩と話したくて来てるんですからっ」
 まるで桐嶋かと思わせるリアクションだった。有為にしては珍しい。

 それにしても楠ノ瀬も故事成語を持ってきたのはいいが、言いたいことが全く判らない。今度ちゃんと意味を教えてやろう。徹は頭の隅で考えながら、有為の形のいい脚が机の端で揺れるのを眺めていた。初めて会ったときから思ってはいたが、やっぱりこの子は――

「徹ちゃん、見過ぎ」
「もしかして変態ですか、藤原先輩」

 油断するとすぐ矛先が向く。徹は心の中で今日何度目かの――最初に二人に出会ったときから数えれば確実に三桁に達するだろう――溜息をつくと無視を決め込んで、数学の教科書を開くことにした。

 楠ノ瀬はいつもの小悪魔の表情を浮かべていたが、
「ところで、有為ちゃん今週末が誕生日だっけ。今年も男の子のプレゼント攻勢が凄いんじゃない?」
 意味ありげな視線をこちらに送りながら、有為に話しかけてきた。

「ええ、もう始まってて。行き帰りのバスの中とか恥ずかしくって」
 自慢げな口調は全くなく、心底うんざりした様子だった。さすが学園一の美少女の誉れ高いだけに、とんでもないことになっていそうだった。

 徹が内心同情していると、楠ノ瀬が笑顔のままで口を開いた。
「ねえ有為ちゃん。中学生の時の綽名が『撃墜王』だったって話、ほんと?」

 その途端、周囲の温度が数度下がった。
 楠ノ瀬の話を聞くともなしに聞いていたクラスメイトが、思わず小さな悲鳴を漏らす。
「……楠ノ瀬先輩、その嘘八百を先輩に伝えた奴はどこのどいつでいらっしゃいますか?」
 有為の凄む声に徹は竦み上がった。

「あれ、違った? 誰から聞いたっけなあ」
 だが楠ノ瀬は全く気にも留めていないようだった。有為の殺気を微風のように受け流すこの少女は何者なのか。学園最強の称号は高宮武でも瓜谷悠でもなく、実は楠ノ瀬麻紀にこそ相応しいのかもしれない。
 とにかく有為の綽名の件は二度と持ち出さないようにしよう。徹は肝に銘じた。

「で、有為ちゃんは誕生日の予定はあるの」
 楠ノ瀬の話し方は連を組んだ瓜谷の影響を確実に受けている。さっきから脈絡なく話が飛んでいるようで、誰かをどこかに追い込んでいる。
 自分の内なる鳴神が、我が身に危険が迫っていると早鐘のように告げていた。

 徹は時計に目をやる振りをしてそそくさと立ち上がった。学食にでも避難するつもりだった。

「それが、こないだ付き合ってた男と別れちゃって、空いちゃったんです」
 そんな内容を敢えて大きな声で言わなくてもいいのに。只でさえ「有為教」の信者は多いのに、これを知ったら大変な騒ぎになるんじゃないだろうか。徹は人ごとながら心配になった。

 こんな美少女と別れるとは、なんてもったいない男だろう――徹はそんな感想を抱きながら教室の外へと向かった。

「……こりゃ、有為ちゃんも長期戦だね」
 呆れたような楠ノ瀬の台詞と必死にそれを否定する有為の言葉は、徹の耳には届かなかった。
 

 月の裏で会いましょう 完

第四話 相違ござらぬか (月の裏で会いましょう4)

2009年03月05日 00:27

 その夜は、野犬の遠吠えがやけに耳に付いた。

「今夜も凶獣が徘徊しておるか」
 男は、筆を仕舞いながら誰に話しかけるとも無く呟く。

 葛原貞義のもとを訪れてから二週間、目は一層落ち窪み、髪はほつれている。
 鬼相が出ている――占師でなくとも、そう見立てるに違いなかった。
 如月も半ばになるとこの地に雪が降ることは滅多に無いが、今日は昼過ぎから雲が厚く立ち込めている。日が暮れてからの冷え込みも昨夜より厳しかった。

(月が顔を出してくれればいいのだが――)

 男はそう思いながら、隣の部屋で正座していた娘の楓に声を掛けた。
「では行ってくる」
 葛原木蘭との約束の時間まで、まもなくであった。

 楓は今年数えで十一。まだ顔にはあどけなさが残るが、自分を見詰めるその姿に亡き妻千草の面影が重なる。
 男は微かに目を細めた。
「蝋燭の火は絶やさず、夜が明けるまでこの部屋から一歩も出ないように」
 小さく返事をする楓に男は満足げに頷くと、引き戸を開けて外に出た。

 男はそのまま無言で歩を進めたが、村境に差し掛かったところで足を止めた。
 男の幼少から身近に感じてきた気配が漂ってくる。気配を発している者たちは、それを隠そうともしていなかった。

 殺気であった。
 男は提灯を手にしたまま、軽く腹に力を込める。

「葛原家の家臣とお見受けするが、相違ござらぬか」
 男の声が夜の闇に響いた。

   * * * * * * * *

 全身に刀傷を負った男がその場所に辿りついたのは、既に明け方近くであった。
 約束を果たす――
 その一念で、ここまで来た。 

 だが、既に手遅れだったのだろうか。
 竜巻が通過した後のように、その一角の草木が薙ぎ倒されている。
 巨大な力の痕跡が記されている。
 そして何より、むせ返る血の匂い。
 
 これだけ血が流れて、人が無事でいられるはずが無い。
 男は不吉な予感を振り払い、桜の木の下に走り――

 地面に顔を突っ伏して倒れこんでいる小柄な男と、銀髪の少女を見つけた。

 初めて見る小柄な男の左脚は足首から奇妙な角度に曲がり、右の肩口からは鎖骨が剥き出している。
 その手は銀の鎖を掴んで離さず、鎖の先にはどす黒い染みが広がっていた。
 重なるように倒れている少女の銀髪は土埃にまみれ、揺さぶっても何の反応も示さない。
 
 果たして何があったというのか。
 凶獣はどこへいったのか。
 
 と、男の足元に何か固いものが触れた。

 手を草叢の中に伸ばすと、乳飲み子の頭ほどの球体の石があった。
 慌てて拾い上げた両手の中、宝玉が一瞬光る。
 振り返った桜の梢越しに、曙光が男の目を刺した。

 春分の夜の――
 男の生涯で最も長い夜の終わりであった。

第三話 今年は負けられない (月の裏で会いましょう3)

2009年03月02日 20:21

 その頃、高宮武は一人、部室で菓子パンを食べていた。
 身体に纏わりつく湿った空気が、梅雨の訪れが近いことを告げている。高宮はシャツのボタンをもう一つ外すと、太い首の付け根の辺りを掻いた。

 昨年も、自分ではナンバーワンの連になる自信はあった。
 確かに瓜谷悠と荻原有理が組んだ連は最強だったが、もし三位まで公表されていれば、自分と金田実優も入っていたと確信している。

 今年は負けられない。
 誰が相手であろうともだ。

 有理の妹の有為が自分を誘って来たときは驚いた。だが栗色の髪の少女の言葉は明快だった。
「有理には負けたくないの。そして同級生の誰にも」
 自分と似ている、と思う。
 ぶつかるかも知れない、そうも思った。

 有為の実力は紛れも無い。
 有理と付き合う前から、その妹の噂は聞いていた。曰く、姉に勝るとも劣らぬ美貌と成績。いや、中性的な魅力の強い姉よりも上だという者もいた。
 確かに噂に間違いは無かった。この連は強いと確信した。

 だが同時に、有為は懸念も口にした。
 自分達に対して、周囲は好き嫌いがはっきり分かれるかもしれない、と。
 高宮もそう思う。
 決して自分は聖人君子ではない。むしろ逆だ。
 有為は誰もが認める美人だが、そういう女は敵も多いかもしれない。

 そうだ。だからこそ瓜谷は強敵なのだ。
 高宮の脳裏に、鼻歌交じりの上級生の姿が浮かんだ。
 
 華のある男。
 飄々として学園の誰からも愛され、行動力も伴う男。
 
 高宮は昨年組んだ金田実優から聞いたことがある。
 自分達が入学したときの入学式は、重々しかったが退屈だったと。
 それを変えたのが当時一年生の瓜谷だった。まだ瓜谷がナンバーワンの連に選ばれる前の話である。
 学園と掛け合い、上級生と話し合い、翌年の入学式を祭りへと見事に変えてみせた。
 
 後から聞くには、卒業生や父兄にも根回しを済ませていたらしい。それでいて式当日は、何食わぬ顔で澄ましていたという。

 金田は決して軽薄な女ではない。損得の計算ができる女だ。その金田ですら瓜谷について語るときは常に言葉が熱を帯びていた。

 だが、高宮にも覚悟がある。
 今年は負けられない。

 高宮は予鈴を耳にすると、無意識に親指で唇を弾いて立ち上がった。


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